スタッフのつぶやき

人生の大事なことは映画が教えてくれた vol.9

映画がヒットして主演女優がスターダムを駆け上がり、時代のアイコン的な存在になっていく・・・というパターンがあります。古くは「風と共に去りぬ」のヴィヴィアン・リーや「カサブランカ」のイングリッド・バーグマン(少し前からスターだったとはいえ、やはりこれが決定打)、「ローマの休日」のオードリー・ヘプバーンなどなど。
確かに、作品のイメージやテーマと、女優さんの魅力や個性が一致したとき、映画は数段階パワーアップしますよね。「風と共に去りぬ」も「カサブランカ」も「ローマの休日」も、別の女優さんでは成り立たないんじゃないの? と思ってしまうぐらいですから。
 
でも筆者は「女優さんがヒット作の直前に出た映画」に興味がある、というか、実際名作が多いと思っています。その中から今回は、リアルタイムで観ていないヴィヴィアン・リーやイングリッド・バーグマンではなく、実際に筆者が観た映画の女優さんのお話を。
 
バブル期のデート・ムービーといえばコレ!的な映画「ゴースト/ニューヨークの幻」で、ろくろを回していたデミ・ムーア。髪の毛をバッサリ切ってカワイイと評判でした。
すでに「セント・エルモス・ファイアー」なんかで青春ドラマのスターとして有名でしたが、超ヒット作「ゴースト」の直前に出た「俺たちは天使じゃない」、この映画が地味に良かったですね。
“当時はスコセッシの常連” デ・ニーロと “マドンナと離婚直後” ショーン・ペンが刑務所から脱獄し、神父と偽って小さな町に潜伏。さて、2人はどうなる・・・? というストーリー。デミ・ムーアはその町に住む、病気の娘を育てるシングルマザーの役で、擦れた感じがいいです。お約束として恋に落ちるという流れもありますが、最後もなかなか。ニール・ジョーダン監督が好きで観に行った映画ですが、デミ・ムーアも改めていいなあ・・・と思ったのをよく覚えています。
 
デート・ムービー東の横綱が「ゴースト」なら、西の横綱は「プリティ・ウーマン」。主演はもちろんジュリア・ロバーツ。
この映画の前に出たのは「マグノリアの花たち」。筆者が大好きな映画で、ジュリア・ロバーツは役も良かったし演技も素晴らしかった。彼女の母親を演じたサリー・フィールドが個人的には3度目のアカデミー賞!と思える名演で、この母と娘の親子の愛と葛藤がストーリーを引っ張っていきます。
観客は恐らく95%以上が女性で “場違いなところに来てしまった” 感じがしたものの、決して男性が楽しめないわけではありません。
 
数年後のメガヒット作「タイタニック」の主演女優はケイト・ウィンスレット。階級の違いを越えたラブストーリーに涙した人は多いはず・・・ですが、筆者は沈む船と運命を共にするウォレス・ハートリーの楽団のシークエンスが一番泣けました。
「タイタニック」の少し前にケイト・ウィンスレットが出た映画に「いつか晴れた日に」というジェーン・オースティン原作「分別と多感」を映画化した作品があります。
筆者はジェーン・オースティンが好きで映像化作品はBBC製作のドラマも含めて多数観てきましたが、これが一番のお気に入り。
この映画でアカデミー脚色賞を取った才媛エマ・トンプソンとケイト・ウィンスレットが姉妹役というのはキビしい感じもしますが、映像も音楽もとにかくいいです。特にパトリック・ドイルのスコアはこの映画にとても合っていて筆者は思わずサントラを買ってしまいました。
 
今回、名前をあげた女優さんは、デミ・ムーアを除いて全員がアカデミー賞ウィナー。
決して一発屋のアイドルではなく実力を兼ね備えた女優さんだったわけで、そういった人たちのブレイク直前の映画には隠れた名作が多いのも何となくうなずけます。
みなさんも、お気に入りの女優さんが有名になる直前の作品があれば、ぜひチェックしてみてください。
 
それではまた、次回にご期待ください、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。
 
 
ヨドガー・ナグァ・ハール

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