どーもー皆さん、おはようございます。
４月から働かせて頂くことになりました〈史上最強のレインマン〉です。
能楽の、特に狂言に携わる者として、今日は「をかし」という言葉をクローズアップします！
「いとをかし」なんて言葉を習った記憶、多くの方が持ってはると思いますが、この「をかし」は「愚か者」を表す「をこ（尾籠・烏許・痴）」から出来たのではないかと言われていて、主に美に対する感嘆をさし「面白い、趣がある」なんて訳されていることが多いかと思います。
　ただこの言葉、実は「趣がある」の他にも「美しい・きれいな」や「素晴らしい・優れた」「興味深い」などたくさんの意味があります。
　能楽大成者の世阿弥は、狂言の滑稽な様を「をかし」と表現し、「幽玄の上階のをかしであれ」と言ってましたが、この言葉は「もののあはれ」と並ぶ平安文学における重要な理念の一つでした。「もののあはれ」がしみじみとした情緒美を表す言葉なのに対して、「をかし」は明るく上品で知性的な美を表す言葉。単純に面白いだけではなく、いわば表現の美を称賛する言葉なのでした。
　さて、ここでちょっと遡りますが、こちらのホールで先週１４日（金）に「大人のための音楽会」が開催されました。ピアニスト・作曲家である高瀬アキ先生とダンサー岡登志子先生が彩る「即興とPartita」、初めて拝見致しました。ステージ上には何もなく、ピアノの旋律が流れる中、躍動する身体・・そこで繰り広げられる世界は、時に激しく、柔らかく、繊細であり大胆で、まさしく、まさしく「をかし」の世界でした！想像力・創造力が引き出される力強さは、能楽を観ているかのような気も・・本当に「いとをかし」の言葉がピッタリ。終演後にはリズム感を楽しむワークショップが開かれ、奇しくも狂言が教材のテーマにも使われ、大満足な公演でした！今秋には高瀬先生、岡先生の、この強力タッグで『即興戯曲　飛ぶ教室は今』が当ホールで開催予定です！
皆様、その時はぜひ、「をかし」の世界を堪能してください！！
〈史上最強のレインマン〉