伊丹市立美術館の「岡崎京子展」に行きました。
1980年~1990年代を象徴する漫画家。
多くの賞を受賞されたのに1996年に交通事故で活動休止されたそうです。
意識して作品を読んだことはありませんでしたが、どんな絵を描かれたのか興味がありました。
時代を背負って描かれたという作品のいくつかは、無性にさみしかったり、どこか出口を探して彷徨っているような感じも受けました。
強烈な個性の主人公が描かれていて、吹っ飛ばされそうな自分を感じました。
当時、私は深見じゅんの「悪女(わる)」に夢中でした。
1988年から10年近く、連載が続いたそうですが、最後の方は知りません。
その頃、私の仕事は「輸出農産物の検査官」。
検査の合否を法的根拠に基づいて判定し、証明書を出します。
業界用語にも乏しく、経験もなさそうな、それも女性が業者施設に立ち入って作業を指示し、最後は「不合格です」なんぞと言えば
、立場が変われば私でも怒りそう。
「男の検査官を・・・」と要望する業者もいる時代でしたから、心細い私にとって「悪女」は救いでした。
主人公「田中麻理鈴(マリリン)」は、初恋で片思いのT・Oさんに近付くために仕事で限りない努力をするのです。
ひたすら「偉くなりたい」と、憧れの彼に認められたい一心で。それはそれは涙ぐましいほどでした。
漫画が日々の色んな想いをいやしてくれたことを、今回思い出しました。
(ma)