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神戸大学公開講座より「移動からみる現代世界」

 

前回のブログでみだしの公開講座について書きましたが、今回はその中から私たちにとって最も身近なテーマである「現代日本への外国系移民の流入と定着」について紹介したいと思います。

すでに米国をはじめヨーロッパ各国で難民や不法移民の問題が国の根幹を揺るがしかねない事態なっている現状を見ても、今こそ日本人のひとり一人が考えなければならない大きなテーマです。

少し長くなりますが講座の内容をより正確かつ分り易く伝えるため参考資料に基づいて書いてみたいと思います。

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講師は神戸大学国際文化学部 貞好康志教授

「-望ましい共存・共生のためにー

はじめに

世界的な人の移動の増大の一環として、日本でも外国系の移民や定住者(外国系市民)が増えている。

日本の少子高齢化や周辺アジア諸国の人口動態などからみて、この趨勢は続くだろう。何もせず放置しておけば、彼ら・彼女ら(+私たち自身)をめぐる社会・文化的な摩擦も増大することが懸念される。

出入国管理や社会統合に関わる政府の施策も重要だが、今回は一般市民にとっても、移民・定住者にとっても身近で切実な「ことば」の問題に重点を置きながら、ちょっとした心がけ次第で誰にでも始められそうな(だが長期的に見た場合、効果は大きいと思われる)工夫の提言を行ってみたい。」

1990年在留外国人の数は約100万人でしたが、2014年の調査では212万人と倍増しています。全体の8割強がアジア(特に中国、韓国などの東アジアと、フィリピン、ベトナム、タイ、インドネシアなどの東南アジア)出身者、次いで南米(ブラジル・ペルー等)出身者が1割強、北米・ヨーロッパが各3%です。

その他、国籍は日本だが「両親の双方もしくは片方が外国にルーツを持つ人たち」も相当数(おそらく100万人規模)いると推測される。やや古いところでは王貞治、力道山、大鵬 最近でいえばダルビッシュ有、ケンブリッジ飛鳥、ベイガーま秋、蓮舫らの人々も外国人にルーツに持つが上記数字には表れない。在住外国人が主に使われている公用語だけでも37言語もあります。

そこでこの講座の主たるテーマに入るわけですが、在住外国人に言葉で伝えるのは、日本での共通語は英語ではありえないということです。

定住外国人のために通訳を介したりすることは長続きしないし、本人のためにも日本で生活していくうえでも日本語を学ぶことが望まれる。

「やさしい日本語」を使おう

現代社会において英語教育は必要であることは当然であるが、英語は日本では共通語にはなりえない。

日本人にとっても、外国系市民にとっても唯一なり得るのは、おそらくやさしい(易しい / 優しい)日本語のみ。

日本人、外国系市民が歩み寄り、知恵を出し合いながら作っていくべき言葉。外国系市民の為だけではなく、日本人自身(とりわけ障がい者や高齢者、および彼らに関わる人)や日本社会全体にとっても、後世まで貴重なコミュニケーション・ツール 文化的資産となる可能性大。

公的文書の「やさしい日本語」への書き換えの一例

A 阪神大震災時の自治体による公園の掲示

「容器をご持参の上、中央公園にご参集ください。」

「入れ物を持って、中央公園に集まってください。」

B 保育園の入園基準

1.「昼間に居宅外で労働することを常態としている場合。」

「昼、いつでも働いている場合。」

2.「昼間に居宅内で乳幼児と離れて日常の家事以外の労働をすることを常態としている場合。」

「昼、いつも赤ちゃんと離れた場所で仕事をしている場合。」等々

かつて、少し日本語が分るブラジル人の通訳(ポルトガル語)で小学校や病院に行った経験がありますが、本人が日本語を学ぶことの大切さと、やさしい日本語で伝えることの大切さを実感したことがあります。

はち乃めだか

 

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