紫陽花と共にこの季節を麗しいものにしてくれるのがグミの実です。
赤く小さな実がなります。甘酸っぱい味。
母が好きなグミでしたが、幼い頃は貴重なおやつの1つです。裏庭の池の傍に植えたのは小さなグミの木、でも満足できず当時「てんころグミ」と呼ばれていた大グミを植えました。
その木が5年ほどたつと素晴らしく成長し、食べきれないほどに実をつけました。
「グミがなり始めたから食べに帰って」と弾んだ声で連絡をくれるのです。
ところが父がどうしたのかその木を切ってしまったと聞きました。間違って切ったのか、他に理由があったのか今でも分かりません。母から何度か愚痴を聞いた覚えがありますが、当時はそんな事に気持ちを寄せるようなゆとりもない年齢でした。
グミの木を街で見かけるたびに、あの愚痴を聞いてあげてもよかったのにと思います。
(ma)