自分の子ども時代を振り返ると、20歳過ぎぐらいまでの10余年は必ず年間200本ぐらいの映画を観てきた。
正直、勉強よりも時間を費やしたと思うけど、勉強で得られるより多くのものを得たような気がする。
たとえば。
親と子の関係って大変だよな・・・「普通の人々」「エデンの東」「フィールド・オブ・ドリームス」
なんで中東はこんなにモメるん?・・・「アラビアのロレンス」「十戒」
こんな文化があるのか、行ってみたい・・・「ナイル殺人事件」「トプカピ」「レイダース」
哀しくも美しく、かっこいい!滅びの美学・・・「ベニスに死す」「ワイルドバンチ」
不屈の精神、人生は気合だ・・・「パピヨン」「スパルタカス」
世界はこのままでいいのか?・・・「未来惑星ザルドス」「真夜中のカーボーイ」「時計じかけのオレンジ」
ちょっと考えただけでもまだまだ出てくる。
で、最近「午前10時の映画祭」で観たのがこれ。
テレビでは何回も観たけど、映画館のスクリーンでは初めての「ポセイドン・アドベンチャー」。
新年のパーティーのさなか津波を受けて転覆した豪華客船の中を、生き残った人々がサバイバルする映画。
ここで学んだのはリーダーシップですね。
ジーン・ハックマンが演じる型破りな牧師は「俺が先に行って見てくるから、黙ってついて来い!」と言って強引に集団をリードする。
日常生活でこのやり方はちょっと鬱陶しいだろうけど、非常時にはこれぐらいの馬力が必要かもしれない。
警官役のアーネスト・ボーグナインとの対立構造も面白いと思うし、パニック映画なんだけど人間関係のドラマがちゃんと描かれていて、ラストシーンに至るまでリーダーシップについては特に考えさせられます。
人のうえに立つポジションの人は必見。
それからこの映画は、ハリウッドメジャー製らしくウケ狙いのサービス精神も旺盛で、全体的にリアルな作りなんだけど女優陣の衣装だけが「なんで?」って言いたくなる感じ。
冬の海の遭難なので海水は多分冷たい。船内の火災で「熱いから触るな」といったセリフが何回か出てくる。そんな状況なのになぜかショートパンツみたいな恰好が多いのです。このあたりはさすがに商魂たくましいハリウッド。
作品の価値を落とすほどやりすぎることなく、娯楽性(?)も盛り込むぞ! というバランス感覚は学ぶべきところかもしれない。(ひょっとするとリーダーシップよりもこっち・・・?)
「午前10時の映画祭」は残念ながら神戸の映画館では観れませんが、「ポセイドン・アドベンチャー」は今日から9月9日(金)まで、TOHOシネマズなんばで上映中。
まだまだ暑い日が続きます。涼しい映画館で海の映画を観ながらハラハラドキドキはいかがですか。
ヨドガー・ナグァ・ハール